昨日、野球のU18世界選手権で日本はアメリカに負けたので5位、6位決定戦に廻ることになったようです。8月23日に
夏の高校野球で優勝した大阪桐蔭、光星学院、それ以外にも150キロを超える速球を投げる投手が目立った大会
だったのでこの世界大会は優勝間違いなしだと早合点していました。ところがコロンビアに負けるは、アメリカには当たり
負けするはで、全く予想外の展開にがっかりというより、寧ろ呆気に取られたという意外な思いでした。でもこれが世界
なのでしょう。井の中の蛙であってはいけないのでした。それが実感です。 さて、ちょうど、その春夏連覇を成し遂げた
大阪桐蔭の記事があったのは8月25日の新聞でした。2週間も前の記事です。何故それを記憶してたかというと、その
社会面の下に、何やら目を疑う記事があったからでした。それはこうありました。「自治医大の講師 覚醒剤使用容疑」
23日夜 宇都宮市内の駐車場で職務質問を受け、ろれつの廻らない様子で「脱法ハーブを吸った」とのこと。その後の
尿検査で覚醒剤反応が出たようです。しかし、この人。自治医大の講師です。自治医大と言えば医学部の中でも難関中
の難関、偏差値70超。授業料は、大学卒業後に離島や僻地での診療を9年間行えば全額免除となる自治省主管の大学
です。この容疑者:樽本高寿は、そこの卒業生であり、かつ医学博士。医学部を卒業しても博士号は取れません。学士
で国家試験を受けて合格すれば医師免許を持った正式の医者です。しかし博士号はその後の研究成果、学術上の業績
が認められて医局から初めて博士号をもらえるのです。しかし医学博士は、今では理系の学部卒者でも学術上の業績が
認められて取得できるようになったきたので医師免許所持者でない人も医学博士を名乗れるようになってます。この樽本氏
は超難関の自治医大卒、博士課程終了、2001年博士号取得という経歴の持ち主です。職業は自治医大講師。しかし俳句
の世界でも有名な方。現代俳句協会の新人賞も受賞した方が何故? でもよく聞く話です。
その人の思いと行いの結果です。 周囲の人から大きな信頼を手にし、おそらく自らも自分を強く信頼してきた人物が、
ある日突然、強い誘惑に負け、忌まわしい罪の中に落ちていく姿。その人のそこに至るまでの思いの行程が明らかに
なれば、それが実際には突然の不可解な行いではなかった事もわかるはずです。堕落は何年もの間に心の中に
芽生えたものでしょう。自分の誤った行いや、近寄る誘惑があるとすれば、清らかで善良な思いを心の中に留め、
それを抱きしめ、めぐらし続けたならば、その思いもまた成長し、パワーを蓄え、成熟した姿で外側に出てくるでしょう。
隠されているもので露わにならないものは何一つないのですから。 そして自分が心の庭に蒔いた思いの種を育んできた
結果を我々は毎日手にしてるだけなのですから。 間違った行いを克服するには自分自身の心を綺麗にするしかないと
私は常々思っています。
今、パラリンピックが真っ盛りです。心の綺麗な人達の集まりです。その人たちを支えてきた人たちも、その会場に来て
応援している人達も。心にどんな種を蒔いて活きて来たことでしょう。きっと博士号よりも、もっともっと大事なことを毎日、
毎日経験され、清らかな思いの山を心の庭に蒔いてこられた方々なのでしょう。どの人も心が輝いて、生き様が眩しい人
ばかり。そんな心のパラリンピックで初めてゴールボールという競技を観ました。感動しました。感動を有難うって言いたい
気持ちです。そんなパラリンピックも日本時間の10日未明で閉幕です。 あっと言う間の事でした。