いつも穏やかな心で、清らかな優しい思いだけを巡らして、どんな環境の中でも幸せを感じていられたら、どれほど
素晴らしい事でしょうか。 周囲の人たちを正直にしたいなら、まず、自分が正直にならねばなりません。 そして
家庭と環境を幸せなものにしたいなら、まず、自分の心が幸せでいっぱいにならねばならないと思うのです。
先日、田園都市線大井町駅のトイレで40歳台の女性と50歳台の女性が清掃作業をしている場面に出くわしました。
黙々と床を磨いては、「ありがとうございました」と入って来る人達に声をかけているのです。 私はトイレに入って
ありがとうございました。と言われたのは初めてだったので、何だか新鮮な気持ちになりました。 その方々は一日
何人の方にこの感謝の言葉を伝えているのだろうと、ふと考えてみたのですが、引っ切り無しに入ってくる人たちに、
感謝の言葉を発したとすると7秒に1回。すると1分で8人に挨拶する計算です。1時間で480人。2時間で
約1000人です。 この清掃業を半日だけ行ったとして4時間で2000人です。これを10日間続けると20,000人。
20日間で40,000人です。一か月20日間、半日だけパートをされたとしても、あの方々は一か月で40,000人に
清らかな思いを伝えていることになります。年間で480,000人。3年続けると1,440,000人。
私は、その言葉を返すことも出来ずにいました。「こちらこそ」、とか「お蔭様で」となぜ素直に、さらっと言えなかった
のかと反省しておりましたし、歯切れの悪さに、情けない思いがしました。 いい年をして、そんなことも
出来てないなんて。 ところで、私は今日何回、ありがとうって言っただろう?って振り返ってみるとたった4回。
そうすると一ヶ月間に多く見積もっても120回ほど。あの方々が15分でこなす回数を私は一カ月間かけて口に
していたことになります。これでは感謝した日々を送っているとは言い難いかもしれません。
大井町の駅で出くわしたあの方々のお陰で、自分のレベルがわかったような気が致しました。
私は、私の思いが私を連れてきた場所に立っています。明日の私は、私の思いが私を連れていく場所に
いるでしょう。 自分の思いが原因となり結果を生むように、自分の人生は自分が思ったように出来あがって
います。そして、その人生は、これから先を自分の好きなように変えることが出来ると私は思っています。