懐かしい方のお名前を2月25日の紙面で見かけた。 クイズダービーのあの人だ。 懐かしいじゃないか。
そんな軽い気持ちしかなかった。 しかし読んで行くにつれ、目が離せなくなった自分がいた。
80歳を迎え重い病を抱えていても、心は折れていない人。 そんな強い人だったんだと
しみじみ感じ入る自分がいた。
たまにひょうきんなことを言ったり、「ゆかい、ゆかい」と頭がいいのか、わるいのか何だか
わからない変わった先生がいるもんだなどと昔は見ていた。 その方が当時、前妻を
交通事故で亡くし、ご長男も部活の合宿で失くされていたとは。 まったく思いもよらなかった。
その方の連載記事が3月2日まで続くという。 全6回らしい。 今、重い病の中書かれた
「患者を生きる」を最後まで読んでみたい。そんな思いでいる。 そしてその方の生きざまを
感じてみたい。 日曜までの連載か。 あと少しなんだ。 心待ちにする連載や小説は
あっけなく終わってしまう。 これがいつも寂しい。 雑多な文字の氾濫。スマホの表面的な
記事の羅列では心が疼かない。 ましてや今日の自分を大切に生きようなんて思いを馳せる
ものなどには出くわすことは稀だ。
心が欲すると何事も疲れやしないんだから。 そう思いながら、そんな文字を目で追っている。
この教授の生き方に刺激を受けた我は、今をしっかり活きてみようと思うばかりなり。