大きな木を移植して植えてみると大事に手入れをしていても枯らしてしまうことがあります。折角いい樹木が
見つかったと思ってみても長い間植わっていた土地と、新しい土地では樹木なりに微妙な変化を感じてしまい
生きながらえることが難しくなるらしいのです。 どれほどの水をあげればいいのかも大事で、勝手な思い込み
は禁物なのでしょう。
夏だから水をいっぱいあげればいいという単純なものではありません。 それは季節にもよるし、その樹木自体
の保水力にもよるのでしょう。 結局のところ「木の声」を聞くしかない。 その樹木がどれほど水分を欲しがって
いるのかを自分で感じ取らないことには、かえって水を上げ過ぎて根を腐らせてしまうことにもなりかねません。
面倒を看るとはこういうことなのでしょう。 過保護、過度の教育も子供の心の根を腐らせてしまうかもしれない。
良かれと思い、子供の将来を想い、勉学向上のため学習塾に入れることは、それだけで解決できるものではない
のです。 その子の「心の根っこ」 がどこを向いているのか? 果たして水分を欲しているのか、いないのかを
よく看ていかねば、無理の上に無理を上塗りしてしまうことにもなりかねません。
樹が枯れないように、そして子供の心が閉ざさないように、そこにあるものの声を自分の心で感じ取りたい。