浦和レッズの試合で埼玉スタジアムがあんなに真っ赤になるなんて想像できなかった。
指折り数えてみるとドーハの悲劇から21年も過ぎている。
そうだ、ドーハの悲劇の1カ月後に、あの事故も起きていた。 21年前の今日、11月28日のことだ。
Jリーグが発足してまだ半年しか過ぎていなかったころ。 カズのディフェンスがイラクの選手にステップに
ついて行けずに振られてしまったあの試合の、ちょうど1か月後のことだった。
ジェフユナイテッドの若手選手が、小雨降る明け方4時頃に、急に脇道から出て来た車を避けようとして
電柱に衝突してしまったのだ。 前途洋々、俺が一番と豪語していた矢先にその人は下半身不随になった。
誰もが羨むプロサッカー選手になった途端、一瞬の事故で選手生命を絶たれて車いす生活になっていた。
それも結婚式の2カ月前のこと。 彼女は事故から5日目に、下半身不随のその人に「入籍」を迫り
結局、11日目に「今じゃなきゃダメなの」と言って、ベッドに寝たままの彼に婚姻のサインをさせた。
彼はその後、車いすバスケで日本代表になりパラリンピックにも出た。その人は多くのものを失い、陽子さん
という伴侶を得た。 今、43歳。 チャレンジはまだ続けている。
素晴らしい人生に行きつくまでには、どれほどの涙と挫折と必死の思いを味わねばならないのだろう。
2019年が待ち遠しい。 ラグビーワールドカップが日本で開催されるのだ。 あのロムーも来る。
5年後の2019年には彼は44歳になってる。 現役の頃は196cmで120kgだった。 しかも
100mを10秒5で走るんだから日本はたまったもんじゃなかった。 観ていられなかった。 ラグビーは
2mで120kgの時代なんだとあっけにとられてその映像を観ていた。
しかし、そんな超スターのロムーは腎臓病を患い、2003年から人工透析。 2004年には腎臓移植。
2012年2月移植した腎臓が機能しなくなった。 今はナディーン・クワークさんと3度目の結婚を して
2度目の腎臓提供を待っている。 果たして彼は2019年に、本当に日本に来れるのだろうか?
輝く舞台の裏側では、苦労の陰が山のように覆っている。 ロムーの光と影はあまりにも大きい。
光り輝けば同じくらい大きな陰が出来てしまう。 人の欲は光り輝く舞台に弱いものだ。 そして人の
欲望には限度がなく、欲が欲を呼んでしまう。 欲望の袋は、常に満たされない空間が存在していて
いつもそれを満たそうと躍起になってしまうのだ。 しかし「希望」、や「祈る心」は純粋で、それ自身が満たされて
いる。 なので、その心は充実していて空しい空間は存在しない。 それ自体を心に抱くだけで自分自身が
満たされていくのだろう。 心が満足できなければ、更に更にとエスカレートして行ってしまう。
まるで坂道を転がるトロッコのように。
筧千佐子の廻りで7人の男性が亡くなって保険金が支払われた。
そして亡き夫たちの遺産は10年で10億円を超えていた。 しかし、今、その残高はほとんどないという。
その記事を呼んでいたら 「一人目でやめておけば分からなかったのにね」 という声が頭をかすめた。
カマキリはオスがメスを捕食することはないらしい。 メスがオスを捕食する場合、オスが本能的に複数
のメスと交尾をし、体力を使いきって最後に交尾したメスの餌になるのである。
そういえば、なんだか筧千佐子の顔がカマキリに見えてきた。