他の空手道場と比べて試合への参加が少ないのが、この道場の特徴かもしれない。
試合よりも大事なものがあるという思いから、常日頃からそう言って聞かせている。
それはひとえに学業とのバランスである。
夏休みには稽古の時間を勉強時間に入れ替えたりする。
但し、全く出ないのではなく春と秋にはチャレンジしてもらっている。
ところが、困った事に以下のような言葉に出くわすこともある。
「僕はまだ、そのレベルではありません」
「今回は調整しきれてないので来年の春に出ようかと、、、」
何という心根だろうか。
何という事なかれ安全主義の子供達になっているのだろうか。
私はそんな時にはこう聞き返すことにしている。
君達は何をやってきたのだろう?
君達は楽にまたげるハードルしか越えようと思わないのかい?
エベレストを登頂しようとする人は初めから成功すると思って登るのだろうか?
この道場では強い心を養うために日々稽古をしている。
いつもチャレンジする中で自信も備わり強い心も養われて行く。
試合は緊張もするだろう。
痛さと怖さで逃げたくなるだろう。
しかし、そこで逃げずに前を向いて立ち向かう。
実はそういう経験は稽古では体験出来ないものなのだ。
試合とは、そこに価値がある。
なので二の足を踏んで前に出れない子供達には、背中を押してあげている。
迷った子供達には、進むべき道を指し示してあるべき姿を教えてあげている。
人としてチャレンジしなくなってどうするか?
このままチャレンジしない大人になってどうするか?
子供達の真剣な眼差しには、こちらも手を抜く事はない。
泣いて、笑って、明日をつかめ!
苦労をいとわず雑草のように生きてみよう。
そんな1日1日を大事にする人になろうじゃないか。
さあ、遅くわない。
今から始めよう。
私はそんな子供達の心に一本ぶれない筋を入れてあげるだけなのだ。