受験を終えて行き先が見えた人達と最後の可能性にかける人達、そしてその子供達を
支えて来た親御さん達の安堵と落胆の顔が目に沁みる。 今日、高校受験で桐蔭に決まった
と報告してくれた中学3年生がいた。シャイな顔はいつの間にか私を見下ろしていた。
高校受験の間も背が伸びていたようだ。この四月、頭のいいシャイな高校生になる。
いつの間にか受験を終えて、いつの間にか強くなっていた。今日もその強さは際立っていた。
高校受験を終えた中学生の話を聞いた後に小学6年が母親と挨拶に来てくれた。
中学受験は母親にとって気がきではない。ガラス細工の心は張り裂けそうになりながら
合否判定を待つ。安堵の顔と悲嘆にくれる涙は紙一重。
今日のすすき野の稽古後、賢そうな顔に安堵の色が診てとれた。
「早稲田に受かりました」 何よりそんな結果報告をしてくれる事が嬉しい。
「これからが本番だ。なお頑張りなさい。」 の一言添えながら頭を撫でてあげた。
慶應の偏差値は64、早稲田は67、麻布が68、開成が72、筑駒が73だ。よく頑張った。
私は常々、思っている。
空手のトロフィーやメダルだけでは食って行けない。だから勉学に集中するんだと。そして
何事もやりこなす習慣を身に付けることが大事だし、最後に効いてくるのは体力と持続力。
机に長時間向う辛抱と体力、強い信念を持ち忍耐を身に付けなさい。
空手を通しいつもそんな事を考えながら子供達一人一人の頭を撫でている。