私のバイクに片足乗せて、両手でコソコソ何かイタズラしている小学校低学年の子供がいた。
コラ、やめなさいと声をかけると、私を振り返り、笑いながらその場を立ち去った。
笑いながらが気にくわなかったから、子供を呼び止めて訳を聞く。
すると、またヘラヘラ笑うばかり。しかし両方の手には石が握られていた。
その光景を見ていたのか後から若いお父さんが 近ずいて謝り通し。 聞けば自閉症だという。
息子が心配で毎朝後ろ姿を見送っていたのだろうと思うと、それ以上問い詰める気も失せた。
心配そうに自閉症の息子に寄り添うお父さんの顔に苦労の影がにじんでいた。
せっかくの命、無駄にするなよ。
そして現実から逃げるなよ。
この先どんな辛い事があっても、ちゃんと向き合って行きなさい。
この先、悪いこともきっと起こる。
でも目をそらすんじゃないよ。
悪いことのあとには、いい事が待っていてくれるから。
この言葉、いつの日にか、この子の心に届け。