医学部生に入試の機会を多く与えることは、彼らにとってはありがたいこと。
ただ医学部入試を推薦入試、AO入試、編入学試験、センター試験利用など
入試を細かく分ければ、一つひとつの入試における募集人員は少なくなって
それだけ合格することが難しくなり「偏差値」が高くなってしまう。
つまり「偏差値の高い大学」=「いい大学」となって世間体がいい訳だ。
東京慈恵会医科大学の入学試験は一般入試だけ。それでも慈恵会は慶應義塾
大学医学部に次ぐ高い偏差値を維持している。ちなみに慶應医学部は付属校
推薦入試があるから一般入試の募集人員は66名のみ。だからそんな狭き門
に合格するには相当の秀才でないと難しいとなる。慶應医学部はこういうカラクリ
を使って上手く偏差値を上げ体裁を保っているようだ。慈恵会は一発試験を
貫いている。個人的には、これが慶應よりもいい所。
22日の慈恵会医の合格発表では171名の正規合格者の他に補欠者131名が。
昨年の東京慈恵会医科大学の繰り上げ合格者の最終順位は142位だった。補欠でも
慈恵会に行けたら素晴らしいじゃないか。 世間では新型コロナウィルスのニュースが
蔓延っている。 薬はまだない。 しかし受験生とそのご家族にとって合格発表だけが
すべてを解決してくれる特効薬だ。 私も息子の受験番組をネットで見つけた時に
ようやく世間の風景が白黒からカラーに変わったことを思い出す。
運というものを、その時ほど願った事はなかった。