極真の先生方も他の流派のフルコンタクト系の先生方の多くは試合重視。 しかし私はそうではありません。自分自身が
空手を専門に生きて来た訳ではなく企業人として生きてきている中で極真空手の教えが役立っているので、それを生き方
として子供たちに教えているのです。 だからこの空手クラブは試合だけ、ケンカに強く成るだけのものではありません。
以下にあるのは ある極真の先生の言葉です。この先生は総極真という団体に属しておられます。私がその先生に
共感しているのは仕事を別にもち、仕事と空手を両立しながら前を向いて生きておられるということからです。
以下がその先生の言葉です。
「今のフルコン空手界は、小学生で勝つ事だけに拘る人が多過ぎる。厳しい稽古をして勝利を掴むのは素晴らしい事だが、
やがて中学生になりサッカーや野球などの部活に傾倒していく。高校受験の頃には道場に来なくなり自然と道場から
去っていく。そのうちに空手をやっていた意味も曖昧になり、二度と道場に戻って来なくなる。多分、どこの道場でも直面
している問題であると思う。それでも多くのフルコンの先生方は、小学生の時の空手の経験が大人になって社会に出たら、
生きて行く事に役立つと言う。 しかし、一時期厳しい稽古をしたからと言って、それが生きる事にそのまま役立つ程人生は
甘くない。一時期を厳しい事に耐えるだけで心が強くなり生きる力がつくのなら、キックでもボクシングでも総合でもどんな
スポーツでも何でも良い事になる。もちろん部活でも・・・。でも空手道は、武道は、生涯修行者として奉仕の心を以って
豊かな人間性を育む道である。強さの果てに、相手を労わる「やさしさ」を様々な修行の過程で身につけなくてはならない。
一時の重い負荷を耐えるよりも、軽い負荷でも長期間、常にあきらめないで耐え抜く事である。だからこそ社会で通用する
人間になれると思う。 一時期でも頑張ってチャンピオンになる努力は尊いし、結果を残す事は大変な事である。その努力を
無駄にせず、将来「あの道場で学んだ事が生き抜く力になっている」と言って貰える様に、我々指導するものは「継続」する
事の大切さを身を以って示していかなければならないと思う。 ある先生の言葉であるが、今のフルコンの先生は、社会に
出て仕事をした事がない、仕事をやっても続かない、社会性がない・・・そんな先生が沢山いると言う。 先生自身、社会生活
もままならなくて子供に夢を与えられるのか、社会性のある大人の方達がその道場に価値を見出し付いて来てくれるか。
そろそろ、一時期のプロパガンダから脱皮して真剣に考える時期であると思う。」
この先生のお考えは私のものと非常に近いように思えます。社会に出て苦労するのは当たり前。それをどうやって
生きて行けばいいのかを伝えていく場が田中空手クラブなのだと考えています。そういう訳で文武両道は必然なのです。