ダフネ、デュ、モーリアという方は1938年に31歳の若さで「レベッカ」を書き上げた。
その後「鳥」も書いた。 それをヒッチコックが映画にしてヒットさせた。
その91年前の1847年。31歳のシャーロット・ブロンテが「ジェーン・エア」を
そして29歳のエミリー・ブロンテが有名な「嵐が丘」を世に出して翌年30歳で他界した。
不思議な事があるものだ。
共通することは30歳前後の若い女性であるということと文章力が並外れているということ。
そういうばアガサ・クリスティも1920年に30歳で作家デビューしている。
アガサは学校には行かず7歳まで字も書けなかったらしい。
それが30歳を過ぎると文字の達人になっている。
不思議な事があるものだ。
寂しく暗い幼少期は空想の世界で特有の能力を開花させ得るということなのだろうか。
話を元に戻そう。
ヒッチコックの「レベッカ」にはジョーン、フォンテーンという女優さんが出ている。
お姉さんは、「風と共に去りぬ」でメラニー役だったオリヴィア・デ・ハビランド。
2人とも東京生まれで、2人ともアカデミー主演女優賞を取っている。
兄弟姉妹で取ったのは、この2人しかいない。
不思議な事があるものだ。
妹は4回結婚し、姉は2回結婚している。
お父さんは96歳、お母さんは89歳、妹は96歳で亡くなった。
姉は99歳でまだ御存命だ。 これだけ波瀾万丈な人生なのに。
不思議な事があるものだ。
たとえば人生はロウソクのようなものなのかもしれない。
その灯が消えるまで自分では灯を消せないのではあるまいか?
何をやろうと、どれだけ苦労しようと、ロウソクの灯が消えるまで生きて行かねばならない。
もしそうだとしたら、他愛も無いことを気にしながらビクビク生きる人生なんて意味がない。
大地震が起こって多くの尊い命が奪われても、自分がいる部分に偶然、空洞が出来て
5日後に救出されることもある。
不思議な事があるものだ。
ただ分かっていることは大いなる流れの中で生かされている訳だからウォータースライダー
のてっぺんに登ったら、あとは手を離して滑り落ちるだけのこと。
親切な人も、意地悪な人も、思い煩う人も、大胆な人も、みんな水しぶきを上げて滑り落ちる。
水の粒子に揉まれ流され落ちていく。
一粒一粒の圧力に負けるまで落ちていく。
天地が逆転して耳と鼻の奥に水と泡が届くまで落ちていく。
やがてその勢いも弱まって肩の力も抜けた頃、ようやくプールの底に辿り着く。
人生、摩訶不思議。
行き着く所まで行くようになっている。