今、私は生きている。
しかし、この人生、なかなか思うようにならない。
人の命というものは、人間個人が思い通りに扱えるほどたやすいものではないのだろう。
何か自分の力の及びそうもない、途方もなく大きな力に操られているように思える時がある。
これはと思いを込めてやってみるものに限って全く上手く行かない。
一生懸命にやってみても、ぬかるみを歩いているようで、どうにもならない時もある。
前に進むも地獄、下がるのも地獄の時もある。
自分を活かしてくれていた土台が前触れもなくひっくり返ってしまったりもする。
そんな「まさかの時」は誰にだって訪れる。
そして、その壁は立ちはだかって「逃げ失せてしまえ」とささやくのだ。
でも天を仰ぐのはまだ早い。
「これも運命か」とあきらめてしまう人もいる。
「新しい転機が訪れたのだ」と開き直る人もいる。
見えざる偉大な力の内に居て、自分の人生など思うようになる訳はない。
きっと、そう思うだろう。
しかし、いくら失敗しようが、奈落の底に落ちようが、悔し涙が頬をつたわろうが
それは問題ではない。
ただ、この一瞬を全力投球しているかどうかが大事なのだ。
まだ見たこともない我が行くべき道の広大さ、険しさ、スリルを味わいながら生きるんだ。
明日が分からないのが人生。
思うようにならないのも人生。
そして全力で事にあたれば拓けてくるのも人生だ。
どん底を這いつくばる時に、どうにかなるのも人生。
人生とは順調と逆境の繰り返し。
しかし、どんなに追い詰められても考えぬけば一つや二つアイデアが生まれてくるもの。
それでもダメならこう思えばいい。
「どうせダメなら、もともと裸一貫。 この身体があれば明日から何でも出来るさ」
こんな、たった一言の言葉が人の人生を変えてくれる。
人は人に支えられながら生きている。
そして人を支えながら生きている。
自分を活かしてくれる人。
自分が活かす人。
そこに深い絆が見えてくれば自分の生きる道が広がる。
今、私はそんな道を歩いている。
思いどおりに行かない人生を手探りで生きている。
自分の人生は一回こっきりの自分だけのものに過ぎないのだ。
だからこそ言う。
「這い上がれ!」
「地の底から這い上がれ!」
「ただ、この今を這い上がれ!」
「この思うようにならない人生を這い上がれ!」