正月の込み入った「湯けむりの里」。
受付カウンターの人の応対が横柄で、素っ気なく、そして商売っ気のない学生っぽさ。
無表情に「今日は正月料金なんで、、、」と横を向いて言い捨てる態度。
「混んでるなあ」と言った一言が素っ気ない態度を引き出したのか分からない。
しかし正直、イラっとした。
結局、そこでお風呂に入るのはやめて家に帰ってしまった。
帰ってからもテレビを観ても気分が尾を引いていた。
学生のバイトはこんなもんだという気持ちとワザワザ出掛けて780円も出して
お風呂に入ろうとしているのに何でこんな思いをするのだろう?
昨夜はそんな時を過ごしてしまった。
家内が言っていた。
長男が勉強してるんだかしてないんだか分からないと。
「国家試験受けるっていうのにコンビニに少年ジャンプを買いに行ってたのよ」
「どう思う?」
「どう思うって言ったって、いい年なんだから、どうしようもないだろうよ」
「で、今、漫画読んでんのかい?」
「それがね、売り切れでさ、買えなかったんだって」
「じゃ、なにかい、ワザワザ出掛けて行ったのに手ぶらで帰って来たのかい?馬鹿だね〜」
「本当、医者の勉強してると思ってたらさ、ワザワザ出掛けてジャンプなかったよだって」
ワザワザ出掛けるとロクなものじゃない。
1月4日号の少年ジャンプの表紙に「がんばれ受験生」と書いてあった。
数学や物理、パソコンも、とうの昔に親を超えている。
その子の部屋にはジャンプとマガジンとサンデーの山がウズ高い。
漫画も捨てたものじゃないのだろうか。
学生とはそんなものなのだろうか。
あの湯けむりの里の学生も漫画にハマってるのだろうか。
湯けむりの里は朝から人が溢れ、苦情も溢れていたのかもしれない。
何時間もそんな中で仕事をしていたらさぞかし無表情にも素っ気なくもなるだろう。
学生達には学生達の考えがあって、彼らの生き方がある。
私の尺度で決めつけるのはよそう。
ただ言える事はワザワザ出掛けるもんじゃないということくらいだ。
2016年の暖かい正月も終わろうとしている。
羽化するサナギたちには持ってこいの暖かい太陽だった。
さあ、そろそろ出番だ。
漫画は少し我慢してみたらどうかな?