子供達を観ていると日々成長していることに気付かされる。
水と酸素があって、太陽と愛情があるとすくすく育つ。
失敗したことを悔やまず
失ったものを数えず
幸運にも得られた事柄だけを大切に思い
良かった、良かったと生きて行けば
その先が見えてくるから不思議なものだ。
与えられた偶然を見逃さないで素直に受け入れたらいい。
この空手クラブの子供達には、そう伝えて行こう。
そしてこうも付け加えねば。
東大などに受かっても喜んではいけないと。
東大を卒業し、国会議員や知事になっても決して喜んでは行けないと。
そこはスタートラインでゴールじゃないのだから。
いいことも、悪いことも、神様が決めていてくれるのだから。
昆虫は自分がしなければならない事を選ぶことは出来ないし
その仕事が無意味で、自分の利益に反するものであっても文句は言わない。
夕方、駅のホームの列に蜂が舞い降りた。
サラリーマン達は手に手に新聞紙を握って蜂を打ち落として踏みつけようとしていた。
そこに高校生の男の子が出てきて、サッとノートをかざすと蜂をすくい上げ
ホームの端の草むらに逃がしてあげた。
昆虫たちは情け容赦のない宿命的な戦いの中で今日も活きている。
さあ、君達もこの先の事は心配しないで自分が持って生まれた運に任せて
精一杯生きてみないか。
無駄な命などどこにもない。
全てに役割りがあるように君にも大切な役割りが有るのだ。