こういう時に子供達を叱るようにしている。
持って生まれた腕力と剛気はあるが粗野であること。
空手の激しさの一面だけを捉えて知恵を磨かず粗野な言動が目に付いた時。
そうかと言って、感情を表に出さない子供達も困ったものだ。
これも問題だ。
もしかしたらこちらの方が深刻な問題なのかもしれない。
それほど感情表現が苦手な子供がいる。
人間である以上、多少怒る事があっても良しではないだろうか。
寧ろ怒ってみなければ本来持ち合わせている生命力や人間味も出ては来ない。
それが最近の子供達には欠けている。
怒らないことを持って偉い子だと諭し
将来は知識人になるだろうとおだてる親御さんもいる。
そして感情を出さない事で人格の奥行きが深まったという学校の先生もいる。
しかし、本当にそうだろうか。
子供ながらにそんな老成ぶった振る舞いを真似るなどあってなるものか。
一人の子が世間の悪も知らず、人間の表裏も見ずに高校、大学を出て
そして親となって、やがて晩年を静かに送ることもあるかもしれない。
しかし実際には、そんな平凡な道を歩む子供は稀で
多くは運命の荒い暴風雨に曝され大海に漂う小舟のうちにあるのだ。
それが人生というものだ。
荒波にのまれても藁をもすがって一所懸命生きねば。
一所懸命、自らを叱咤激励し泣いて、笑って、怒って、涙する。
決して粗野でもなく人間らしく生きる。
この空手クラブはそんな生き方を大事にして行こうと思う。