昔の親は随分、身勝手で理不尽のかたまりだったように思う。
学校から帰ってくれば、「勉強しなさい」といい、そのうち忙しくなると、「何してる。
勉強なんていいから、お使いに行きなさい」 となる。 「まだ宿題が済んでないよ」と
言おうものなら、「宿題なんてどうでもいいから、お使いに行くんだよ」となる。
文句を言うと「親の言うことを聞けないのかい? 早く行って来なさい」と怒鳴られた。
そんな理不尽で矛盾のかたまりが実は大事なのではないかと思っている。
こんな理不尽な中に育つ子供は世間に出て、多少の理不尽に出会ってもビクともしないのだ。
だから、少々のことで切れる事もない。身を粉にして働いてる人の後ろ姿を見て来ている
子供達には、その理不尽を受け入れる耐性が備わっている。
妥協するなよ、逃げるなよ という言葉が理不尽ながらも身を粉にしている人達の口から
もれ聞こえてくれば、子供達に「勇気を持って生きろ」と迷った背中を押してくれる。
人生の落とし穴に沈んでしまった時に、理不尽の耐性が子供達の心を支え、それまでに
培った心の強さが万難辛苦を乗り越えさせてくれる。
今、 直面している絶望感など大したことじゃない。
宿題なんてやらなくていいから、さあ、早くお使いに行って来なさい。となる。
この空手クラブはそんな耐性を養う場である。
さあ、元気に遊びなさい。 元気に汗をかきなさい。