子育てはほんとうに難しい。
御母さん方は育児、子育てをしながら、そしてお父さん方は仕事に追われ、毎月、
少し背伸びをした貯金を続けている。子供が幼稚園に入る頃には知り合いが家を
買ったことが気になって、やがて無理をしてでもマイホームを購入してしまう。
好きでもない仕事も、このローンが足かせになって、辞めるに辞められなくなり
苦労を背負うことになる。そんなおり、ふと振り返ると子供が思い通りに育って
いないことに気づいてしまう。子供は泣き叫び、親はなだめすかすので精一杯。
そして子供に同情して、やがて甘やかすようになる。何事も都合のいいように現実を
曲げて観るようになったらおしまいだ。 我が子にいろんなことを教えるよりも
同情する方が楽でいいに決まってる。 そして小学校入学を迎え6年間同情されること
しか知らない1年生が生まれてしまう。その子は友達に馴染めずに孤独な毎日を過ご
すようになり、やがて不登校。ゲームに浸る毎日を過ごす。両親はお互いの責任を
なじりあい次第に不仲になっていく。 同情、甘やかし、そして溺愛は子供の為ならず。
だから私はいつもこう伝えている。
うつむいてはいけない。いつも頭をあげて前をみて生きなさい。世の中を真正面
から見つめなさい。自分で、私はこんな人間だと思ってしまえばそれだけの人間に
なってしまう。だから気をつけなさい。 いつもそんな思いを抱きながら空手を
教えている。そして一人一人の目を診ながら、その子のちょっとした成長も
見逃すまいと僅かな事にまで気をもんで診ている。厳しく接した子供には決まって
「よく泣きもせず頑張ったな」と褒めてあげる。子供達は褒められると目が活き活き
としてくる。 私はその瞬間に出くわすために回り道を楽しむようにしている。