中学受験が今はいい思い出になりました。麻布中が目標で日能研でも麻布クラスの前列が定位置。前列から落ちたことはなかったからほぼ行けると本人も家族も、日能研の先生たちも思っていました。結果発表は2月3日。節分どころではない。私は会社を抜けて坂道を歩いていました。先に見に行っていた親子が泣きながら下りてきたかと思えば、封筒を抱えた笑顔の親子もいました。「あの封筒か、もらって帰るのは」と思いながら先を急ぎました。ドキドキしたのは大人げないけど本当です。掲示板の番号を何度も見直したっけ。「えっ」、「そんな訳はない、見落としたかな、、、」、何度見ても番号は見当たらなかった。電話をしました。「番号なかったよ、、、」言葉にならなかった。「えっ、そんなあ、、、」妻の震えた声が耳に残った。長男はその日も受験だった。
あれから21年が過ぎました。今は循環器系内科の専門医。紆余曲折あれど何とかなって良かった。空手は大学2年生の時に辞めさせたというか、強制的に辞めてもらいました。「今は空手をやってる場合じゃない。医学部の勉強に専念しなさい」、怪訝そうな顔をしながらも「うん、わかった」。親に安心をさせておかないとと思ったのでしょう。息子は大学の空手部を辞めず、黒帯まで取ったことを卒業式の時に知らされました。結果オーライか、、。
子の受験にお金を使いすぎると、ふと我に返ったときに老後の資金が足りないことに気づきます。子の受験に入れ込み過ぎると自らの首を絞めてしまうようです。医学部受験も、医師国家試験も紙一重。心もとない橋をなんとか渡って来ました。振り返ればすべて運が良かったように思えます。