振り返ってみると身体は健康で、大学にも行かせてもらい、上場企業に勤め、結婚もし、子供は二人授かりました。子供達の成長はハラハラドキドキの連続だったけれど、一人は医者に、一人は家業の療育の仕事を手伝ってくれるようになりました。私は日々悩み、一歩進める事にも躊躇しながら一日を終え、一カ月は同じことの繰り返し。そんな代わり映えのない一年をただ積み重ねてきたように思えます。テレビや、ネットで成功してる人達の姿を観ると、自分とは別世界の人達のように映ってしまいます。大学を卒業し会社に入って何年か経つといろいろと悩むことが出てきたり、仕事でスランプに陥ったり、たいてい大きな壁に突き当たってました。気持ちをリセットし、それを乗り越えることの繰り返しで41年も会社勤めをしています。よくもここまで続いたものです。空手と出会って45年。剛柔流から始まった空手は今は「先生」と呼ばれています。しかし自分は「先生」なんだろうか、「先生」らしいことを何かしただろうか? やってきたことと言えば教えてもらった基本稽古、移動稽古、型稽古、スパーリングをそのまま伝えてきただけで、それを45年間続けてきただけなのだから「先生」ではなく、その道の「先輩」と言われた方がしっくりきます。
今は、ここまで生きる「力」を与えてくれた両親と空手でお世話になってきた方々に「感謝」しかありません。力謝会とはそんな思いの人の集まりになればいいと思っています。