11年前、私は浜井派神奈川県支部としてゼロから活動を始めました。それまで在籍していた道場の生徒を連れてくる訳でもなく、自分1人でゼロスタートでした。稽古場所はこれから見つけよう、稽古生もこれから募ろう、何もないところから自分がどこまで出来るか試してみよう。そんな気持ちでした。
4月に地区センターで体験会をして3人が入会してくれました。5月も3人。浜井派神奈川県支部はこの6人から始まりました。その頃、小学校の体育館も借りられたのですが参加者はゼロ。一人でバスケットボールで遊んでいても5分が限界。広い体育館で大の字になって寝てました。やっぱり空手で人を集めるなんて無理かも。そんな事ばかり考えてました。家内に「今日も行ったってだれも来やしないんだから行かなくていいんじゃないの」と諭されてました。「いや、誰かが来るかもしれないから行くよ。1人でも来たら稽古をしてあげないと」。そうやって広い体育館で1人だけの時間を過ごしてました。その小学校体育館に子供達が来るようになったのは3ヵ月も後の事でした。
それでも続けてたら最初の年は地区センターと小学校体育館の2ヶ所で30人が来てくれるようになり、翌年には稽古場所は3カ所になり生徒は50人になりました。その次の年には4か所で150人ほどになっていました。3年かけて今の半分ほどの人数になっていました。その後、子供達が試合に出るようになり、徐々に入賞するようになってきて、試合クラスを創るようになりました。今はその試合クラスに毎回30-40人ほどが参加します。体育館で大の字になって寝ていた頃には想像もできない状況です。今は力謝会の一員として活動する横浜田中道場は宇宙が広がっていくように自然と組織は大きくなっていきました。たくさんの苦楽をともにしてきた人達、そして、今は別の道に別れた人達、過去同じ時間を過ごしてくれた人達、みんな同様に感謝の気持ちすら湧いてきます。それは人生をひたむきに生きて、まずまず納得できる人生を振り返れるようになったからかもしれません。成功したとか、だれだれに勝ったとかではなく、真摯な気持ちでいると、それが誰とは言わず、感謝の気持ちがわいてくるから不思議なものです。