長男が医者になりたいと言っていたのは小1の冬。日能研に通い出したのは小5のはじめ。他の子供達より塾通いは遅かった。私は塾など行く必要ないと思っていた。それから8年後の19歳の時に医学部に入り、そこから7年が過ぎて医師国家試験にようやく合格した。研修医を経て、循環器内科医になった。もういいだろうと思っていたのに大学院に通い博士号を取ると言い出したのは31歳のころ。今、大学院3年生。午前中は循環器内科医として回診。土日の多くは近くの病院でバイトをしている。34歳の長男は子供のころからカタツムリのようにゆっくりと成長していた。ちっとも成長してないなと思って気にもかけずにいたら、いつのまにか遠いところまで進んでいた。カタツムリの速度でちゃんと進んでいたことに驚かされた。
この子の姿を観ていていろんなことを気づかされた。その長男の部屋は今だに週刊マガジンが積み上げられ、ゲームセンターで取ってきたぬいぐるみが転がっていると掃除に行った家内が言っていた。循環器の勉強をしながら、そして心筋梗塞や脳梗塞手術をしながら、よくもまあ漫画を読む時間があるもんだ思うけど、それが気分転換なんだろう。長男らしい。
「急いではいけない。」「早く結果が出ることばかり望んではいけない。」
これは子供達が何かを身に付けようとしている時、または何かを成し遂げようとする時に伝えてあげたい言葉です。