8月は型と移動を中心にした稽古。 稽古の中で話をしたことは三戦(サンチン)の立ち方。 後屈立ち、前屈立ち
での移動の仕方。 この基本を伝えることが実は過去には十分には出来ていなかったので解説をして行きました。
元々極真は大山総裁が松濤館で空手を学び、剛柔流を学んだ中で創られた直接打撃系の流派です。
その為、型の多くは剛柔流に由来してます。 私が大学の時に習っていた剛柔流の型と現在の極真の型は微妙に
違ってました。 大山総裁の転掌の型を観た時に、そのスケールの大きさに剛柔流との違いを感じたものです。
剛柔流には太極、平安という型はありません。これらは松濤館や和道流から来ているようです。 そんな型の中で
私が一番好きなのは剛柔流の征遠鎮(セイエンチン)と、憧れでもあるスーパーリンペイ。 しかしこのスーパー
リンペイは私は出来ません。 何故ならこの型は極真にはないのです。 この型を教えてもらえる師範も極真には
いません。 ただ自分の型にして行きたい。そういう憧れの型でもあります。 全空連の型の決勝の多くは剛柔流
か糸東流の方々が占めています。 どういう訳か型の決勝はこの2つの流派から出るケースが多かったと記憶して
ます。 それほど、この2つの流派の型は素晴らしい。 私は極真のセイエンチンではなく糸東流のそれが好き。
キレがあって、空手らしいと個人的には感じています。 スーパーリンペイはいつの日か自分も出来るようになりたい
と思う憧れの型。 極真空手をやっていると、このような事が意外と疎かになってしまうと思い、この8月は伝統的な
稽古、型や移動の在り方などを解説し伝えてきました。 そしてやればやるほど奥が深く、まだ修行の途中である
ことを強く感じた夏でした。 広い体育館で蚊取り線香を点けながら型稽古をやった夏もそろそろ終わるのかと
昨晩の虫のなき声で感じました。 虫の声はもう秋のようでした。