よく夜9時過ぎに日能研へ長男を迎えに行ったものだ。
小学生なのに進学塾で勉強に追われて可哀想だと思いながらも
いずれこの子の将来の為と目を瞑った。
土曜日には空手の稽古に行かせた。
そういう生活が高校生まで続き念願の医学部に行かせる事が叶った。
医学部に入ってからは、それまでの勉強よりも更にハードだったかもしれない。
そして今、研修医としてある地域の総合病院に勤務している。
やっと楽が出来るかと思いきや自分の部屋に戻るのは月に4日ほど。
宿直やらが重なり時間がないから病院のソファーや床で寝ているという。
昔からリビングのソファーで寝たりしていたことが今になって活きている。
家賃10万円のマンションに月4日ほどでは高過ぎるかもしれない。
その病院で研修医を2年経過すると大学院に戻って3年を費やし
医学博士号を取得する。
開業医なら医学博士号は不要だ。
しかし勤務医なら博士号がないと肩身が狭かろう。
まだ先は長い。
体力勝負の日々は続く。
無理に天に抗い、功名を急ぐ必要はない。
遠い道のりを迂回しているくらいが丁度いい。
それがかえって近道の本道だ。
極めて自然に巡りくる運命のもとに進めばいい。
一人の親として子供の在り方をそう捉えている。