ここの空手クラブは異質かもしれない。 常々、そう思っている。 何故なら空手のことと
同じくらい、生き方・考え方などについて口酸っぱく言うところはないからだ。稽古が終わったら
「家に帰ったら勉強しなさい」という。 なので毎年1月から3月20ころまでは受験に関する事が
最重要課題と捉えている。 今年も中学受験に挑んだ子供達がいた。 来年は高校受験、
大学受験の子供達も出て来る。 機会があれば対策くらいは伝えてあげようと思って居る。
そんな中、第112回医師国家試験結果が19日に発表された。目につくのは10,351名の
出願者がいたのに受験する前に341名が脱落しているという事だ。簡単にいうと卒業でき
なかった学生が303名、その他の理由で受験できなかった学生が38名いたということ。
そしてその中で9,024名に桜が咲いた。医学部入試でダントツに偏差値の高い東大でも
昨年、国試浪人となった学生が15名が受験し10名が合格、5名が再び国試浪人を続ける
羽目になった。阪大では6名が既卒者として受験し1名の合格。何と既卒者の合格率は16.7%。
阪大医学部、東大医学部を卒業しても計10名が今だに医師になれず国試浪人を繰り返す。
何故、そうなるのだろうか。超エリートである彼らも6年間に勉学を怠りバイトやサークル活動に
うつつを抜かしてしまうとただの人。いやそれどころか、そのまま国試浪人を繰り返していくと
精神的な不安定の中、社会に順応できず30歳を迎えることになる。毎年、超エリート校でも
こういう脱落者が3-5%出て来てしまうから気をつけねばならない。それが大きな問題だ。
このパターンに子供達が陥らないように常々伝えておきたい。いわゆる「精神的図太さ」、
「雑草の生き方」なるものを子供らの心に浸みこませなばならないのだ。 言い換えれば
失敗をしてもそれを跳ねのける心の強さが必要なのだ。今回の医師国家試験結果をみていて
改めてその事を痛感する。
普通に勉強し続ければ医者にはなれる。センター試験が80%であっても成れる。
その戦略と対策を可能性のある子供には伝えてみようと思っている。
医者の道は長く、医学部受験はまだその入口の出来事である。