力なき正義は無能なり
心斎橋で事件が起こりました。 今から4年前の2008年3月に荒川沖、6月に秋葉原でも通り魔 事件が起こりました。 大変痛ましい事件です。実際に、その場に出くわした時にどういうことが 出来るかわかりません。しかし、私は有事にどうあるべきかを想定した稽古を行っているか、いない かで結果は違うだろうと思います。その為に護身をテーマにした稽古を先月初めて行いましたが、 今後も生徒、またはご父兄様から一人でも、ご要望があれば(無料で参加出来る場として) 自分自身を守るために、どうしたらいいのかをテーマにした稽古の時間を設けようと思います。 お金の問題ではありません。 一人でも、少しでも、安心して暮らせるように自信をつけてもらいたく 思います。 「力なき正義は無能なり。正義なき力は暴力なり。」
マトリョーシカ人形
確かに男性の顔の人形は見たことがありません。何でいくつもある木製人形の顔は女性なのかと聞いてみると 「昔々ーーー」という話をしてくれました。 ちょうど、こんな物語でした。 ロシアの南方の地域(冬は雪で覆われた寒くて過酷な場所)に、ある兄妹が羊の放牧していました。その時に、 妹がはぐれてしまい、いくら探して妹は出てきませんでした。兄は見つからない妹を想って、木に妹の姿を刻んで 残していたのですが、何年たっても妹は見つからず成長した妹を想う兄は、その度ごとに ひと廻り大きな姿を 刻んだのです。 こうして数が増えて行って、今日のマトリョーシカ人形になったとさ。女性の顔なのは、そういう事。
潜在能力
子供の潜在能力は無限です。 今から32年も前に百瀬昭次さんという方が出版された「君たちは偉大だ」という 本があります。漢字には仮名もふってあるので小学生でも読めるように配慮されてるものです。しかし、大人が 読んでもいい内容です。 子供たちは 太陽と栄養があれば すくすく育ちます。 私は空手を通して 子供たちの 好奇心を大事にしながら、もともと内に秘めている能力を引き出してあげるのが務めであると考えてます。 ナオヒロ、ユウト、ハルト、ショウヤ、ハルヤ。年中さんから小学校三年生までのお子さんを預かり、ご両親の思い (子供に変わって欲しいという期待を込めた思い) を言葉の端端から読み取りながら、私なりに子供たちに接して います。 子供たちは純粋で、好奇心旺盛。 導き方で如何様にも変わってしまうのですから 一人一人の表情・ 言葉・稽古姿勢をつぶさに見て行かないと小さな成長を見逃してしまいます。成長したらすぐ褒める、そして次の レベルの課題を出していく。 今まで私は自分の子供を含めて、子供たち一人一人にそのように接してきました。 これは導く側の真剣度で決まるものでもありますから、一瞬たりとも子供たちの動き・感覚を見落とすことは出来 ません。 また土曜日、日曜日 そんな子供たちに会えるのが楽しみです。子供たちの成長を見るのが楽しみなの です。裏拳廻し打ちや、のがれの呼吸などの呼吸法も子供には難しいものでも、いつしか子供なりに出来るように なってきている過程を見ると、子供の可能性は大人の想像を上回るものだと痛感します。 子供たちは偉大です。 一人一人が、畑に撒いた種が芽を出して行くように、すくすく伸びて行く姿を見守りたく思います。 それから最後に、一般で入って頂いてるコバヤシサン。 いつも空手に真摯に向き合う姿勢に私も恥じないようにしよう と元気づけられています。 感謝の気持ちを持って、私に出来ることは何なりとさせて頂こうと思っています。 そういえば自閉症であった次男も大学の陸上部の2年生で、陸上部の寮住まいのままですから顔を見ることはあり ませんが、音沙汰がないということは、問題がないということなのでしょう。あの子が、箱根駅伝に出る為に、あきらめず 頑張ってるなどということは、全く想像も出来なかったことです。 何度も学校で、いじめられてきただけに。
親の血
5月27日は府中で 東京優駿が開催され11万人の方の多くは馬券が紙ふぶきと化したことでしょう。 私は過去1回 だけ子供を遊ばせる場所が府中競馬場内にあると聞いて競馬場に行きました。長男が小学校1年生の頃ですから、 もう16年も前の事です。遊園地みたいにした場所があって子供を遊ばせるにももってこいの場所です。昨日はたまたま テレビをつけたときに岩田騎手が歓声の中、多くのファンに手を上げて喜びを顕にしてるところでした。 馬はディープブリランテ。どっかで聞いたことがあると思いきや、ディープインパクトの子供だと解説してました。しかし よくよく調べてみると10着までに入った3歳馬の半分はディープインパクトの子供です。それになんと4着までに入った 3頭もその子供たちが占めていたのです。確かに調教師、騎手の力量はあったにせよ、この圧倒的なディープの血の 割合は何とすべきでしょう。 話はガラッと変わりますが、昨日の新聞広告で聞いたことのある方の名前を見ました。藤巻幸大さんという方 が就職フォーラムにゲストトークで就活経験談をトークするというものです。大学3年生のための就活に 先手を打つものらしいのですが、ちょっと待てよ。この方 かつて民事再生法適用となった福助の再建を 図るとして、2003年ころに一躍脚光を浴びていた 藤巻幸夫さんではないですか。 福助は2年半で辞め その後、イトーヨーカ堂の執行役員、顧問を経て、そこも2年くらいで辞めたあとは 空間プロデューサー などという肩書でホテルやカフェの運営などを行う仕事をされてた方です。最近になって名前を「幸夫」 から「幸大」さんに変えられたと聞いてましたが、ここまでの経緯を見ると何やら、私とはものの考え方 が全く違う方の様に感じられました。名前を変えることは悪いとは思えませんが、仕事をころころ変えて 尚且つ、自らを「カリスマバイヤー」、「再生請負人」と呼ぶ方が、名前まで変えて取り組む仕事や今回の 就活フォーラムには、得られるものがあるものか疑問に思えてなりません。2003年の福助再建やヨーカ堂 は食い散らかしてないのでしょうか? 空間プロデューサーの仕事は、どうなってるのでしょうか? その答えは就活フォーラムに参加された大学3年生の方々が直に感じられるのでしょう。地に足をつけて 生きて来た方の言葉か否かは学生さんにもわかるかもしれません。 さあ、その方のご兄弟は10歳上の 健二さん。この方は伝説のトレーダーとしてモルガンスタンレー当時名をはせた方で早稲田、一橋、神戸大学 などで非常勤講師をされてきた実力者。健二さんと幸大さんは異母兄弟ですがお父様は同じです。東京優駿 でいうとディープブリランテとベールドインパクトの違いでしょうか。 方や鼻の差で2億4千9百万円の本賞金。 方や9着で5千7百万円の賞金。しかし、ディープインパクトの血があるから、その子供たちは、やはりそういう場 に出て、それだけの賞金をもらえたという事なのでしょう。 血は争えないものです。
歯医者
新聞の折り込み広告に歯医者のものが多いと思っていたら、それもその筈、虫歯の日(6月4日)も間近でした。 しかし、そもそもバレンタインデーやホワイトデーなどは そういう催しを作って市場を活性化させる狙いが製菓 会社にある訳ですから6月4日は歯医者さんの市場活性化が狙いだと言えるのかもしれません。 今や国公立の 歯科大学に入るのであれば投資費用対効果は見合うでしょうが、しかし私立の歯科大学では卒業までの学費で 3000万円~4000万円かかる訳ですから回収が容易とは思えません。医学部と違い歯学部の偏差値はかなり 低く、大学によっては薬学部の方が偏差値が高いケースもあります。たとえば慶応の薬学部とGREEEENが卒業 した福島の奥羽大学歯学部を比較してみると圧倒的に慶応の薬学部の方が偏差値は上です。但し、医学部は 別格です。これは首都圏だけではなく全国的に同じ傾向にあるようです。中には東大・京大・東北大の理工系に 入らず私立の医学部を選択する学生もいる程です。街を見ますと確かに歯医者さんの乱立が目に付きます。 これではビジネスとしては楽ではないだろうと思われますが、最近では日曜でも診療をしてくれるところが増え 出しました。なかなか容易ではないのでしょう。弁護士も文系では、希望職種としては人気がありますが、実際の 年収は500-800万円程度の方が多いようです。せっかく弁護士になれたのに、これではサラリーマンの方が よかったのではと思ってしまいます。歯医者も弁護士も、4年で大学が終了する訳ではなく簡単にはその職業には 就けないのですが、昔と違って経営は難しいと言うことは間違いありません。そのことを十分認識した上で、その 道を歩まないと、大変厳しい現実に直面してしまうかもしれません。すでに人生の大事な時とかなりの大金を 掛け、人生の折り返し地点に入った後のことだと尚更です。6月4日前に、ふとそんなことを考えておりました。
医者の立場
さて、目を世の中に転じてみると、2ヵ月半前になりますが、 聖マリアンナ医大病院で暴行事件がありました。2012年2月 29日のこと。 耳鼻咽喉科の39歳の助教28歳の研修医を医局で30分間にわたり殴る蹴るの暴行を振るったとして諭旨退職 処分が下されましたというものです。二人とも同大学の空手部の先輩後輩であったとのこと。 聖マリアンナの空手部は何の ために稽古をしてきたのでしょう? また2009年6月横浜都筑区交差点で昭和大学看護士3名が信号待ちをしていた際に 衝突事故の巻き添えで死亡した事件がありました。これも聖マリアンナ医大1年生。 医学の道を目指す若者が医学の道で 働く尊い3名の命を一瞬にして奪ってしまったのです。2012年2月には東邦大学麻酔科の准教授が医学論文捏造の疑いで 諭旨退職。教授になるための193件の論文に倫理規範違反があったとのこと。東海大学医学部から東京医科歯科大学を 出て東邦大学で教える立場に至っての問題発覚。慈恵医大に出向していた東海大学医学部出身医師が不同意堕胎事件で 逮捕されたことは、まだ記憶に新しい2009年の事件です。医者の立場を利用してビタミン剤と称して堕胎剤を点滴し流産 させた疑いでした。 あるまじき行為が医師の立場を利用して成されることは見逃すことはできません。 巷では勉強ばかりしてるうちに ものの良し悪しの判断がつかなくなった秀才が増えたということなのでしょうか。 倫理とは? 正義とは? そういうことを胸に手を当てて考え直さねばならない人が医者の立場を利用して生きている ということなのでしょうか? この答えはわかりませんが、ただ言えることは これが終わりではないということです。
護身術
「力なき正義は無能なり。正義なき力は暴力なり。」 これは昔から極真空手が戒めに用いる言葉です。エスカレーターで ぶつかったから刃物で刺すとは、まるでアメリカのような話。しかし、ここは「治安が世界一」と言われる日本です。 持っていた刃物を使うほどの事ではなかったと誰もが思うでしょうし、刃物を持つこと自体、日本では銃刀法違反ですから 即刻、お縄頂戴となります。 今や日本は喧嘩両成敗。手を出した方がお縄です。しかし我々が空手を教えているのは 喧嘩に勝つためではありません。日本古来の武道空手を普及させること。礼節を重んじ、人の為に尽くせる人材を育成する ことにあります。また世知辛い世の中になった以上、自分の身は自分で守れるように護身術くらいは知っておいた方がいい に決まってます。 特に女性、シニアの方、子供達など弱者の側に立って、如何にすれば人間は倒れるのかを説明し実践 することも必要かもしれません。相手が刃物を持っている場合、羽交い絞めにされた場合、胸倉を掴れた場合、などを想定し 、その一瞬にどうすればいいのかなど体験し実践しなければ いざ鎌倉という時に、震えるだけで何も出来ずに終わるでしょう。 という訳で、来週6月2日土曜に護身術をお伝えする催しを無料で行なうことにした次第なのです。
跳び級
以前、よく言われたことに「極真の緑帯=4級、3級は他流派の黒帯(初段)に匹敵するほど強い」と言葉があります。 他流派と言うのは伝統派の寸止め流派のことです。最近では極真系で独立された流派もありフルコンタクトの練習方法が 広く行き渡り出してる為に、直接打撃系の空手道場では強い選手もいます。K1の正道会館(元極真)、芦原会館(元極真) 、士道館(元極真)、円心会館(元極真)、白蓮会館(少林寺)など。それ以外でもJKJOの系列団体は強い選手がいます。 しかし極真と名乗る以上、負けられませんから努力を惜しんではいけません。極真の名前を胸に掲げる以上、当然の事ながら 骨が折れても負けてはならないのです。しかし、練習をせずに強くなれる訳はありません。人よりも練習し、工夫し、強く なりたいという人には、そういう環境を整えたいと思います。もちろん帯びも、その方にあった級に跳び級も当然です。 私自身、オレンジ、青、までは跳び級はありませんでしたが、5級→3級→1級となり黄帯が1年で茶帯の1級になっていた ためです。その背景には試合で優勝、入賞は度々。昇級審査の組手でも相手を圧倒していたと思います。極真でも もちろん基本稽古、移動稽古、型稽古はあります。それは大事ですが強くなければならないのでミットとスパーリング稽古 は欠かせません。夏には昇級審査を行う予定です。是非、稽古生の皆さんには今から跳び級を目指して努力をして 行ってもらいたいと思います。
一途に、一心に
NHKのプロフェッショナルで天野篤先生を取り上げていました。天皇陛下の執刀医であったことから一躍有名になった 方です。県立浦和高校から3浪して日大医学部へ入られた方で、現在は順天堂大学の心臓血管外科教授。 人の命を預かる真摯な態度に頭が下がる思いでした。 「一途に、一心に」物事にあたって来たかと自分の人生に対し 聞かれると、心にむらがあって、真摯な行動とは程遠いものであったと答えるでしょう。 とは言え、この先、少しでも、 恥ずかしくない生き方をして、人の為に尽くす人生でありたいと思います。 心が焦ると言葉に表れ、余裕がない自分に 気づきます。 そんな時には、この言葉を思い出して「一途に、一心に」、そして誠実に活きて行きます。 ところで今日店頭に出た「週間ダイヤモンド5月19日号」には中高一貫校ランキングなるものが特集されてました。 中でも「医学部合格力ベスト100」に目が留まったのでざっと見てみました。するとやはり有名どころが上位を占めている のですが医学系はやはり小学生の段階で方向をはっきり打ち出さないと難しいように思えます。単に東大に入りたい、 京大に入るというのではなく医者になると言う意識をもって、そこへのプロセスを早期に創るということです。ちなみに東京、 神奈川地区でベスト100に入っているのは開成、筑駒、聖光、栄光、駒東、巣鴨、豊島岡女子、海城、麻布、桜蔭、女子学院 、暁星、公文国際、浅野という順です。優秀な高校でも医学部には強くなかったり、またその逆に東大、京大合格人数は 少ない割りに医学部に強い高校であったり、はたまた私学の早慶に強い高校であったりするのです。以前にも書いた 通り医学部に入るには、付属高校に入るパターンと一発受験で入るパターンがあるのですが、後者では小学校4-5年生で 目標を明確にして中高一貫校の情報分析に入らねばなりません。公立高校から医学部に入るには相当な能力が 要求されるので、それが近道のように思えます。前述の天野先生ですら県立浦和高校から医学部を受験されて3年も かかったことからも、そのように言えるのではないかと思います。お父様は国鉄職員だったそうです。
あなたの陣地
休日は ゆっくり新聞に目を通す時間があります。 「一点突破の足場を作る」とは 新聞の記事。海堂尊さんの言葉です。 千葉大医学部を出て、医学博士兼作家で有名な方です。中でも「チームバチスタの栄光」などはドラマにもなった有名作です。 海堂さんは自分を評して、外科医を断念し、病理学でも死亡時画像診断分野以外では全く業績を残せなかった落ちこぼれ と言うのです。千葉大医学部を出た医者が、「落ちこぼれだった」と言われると 落ちこぼれも悪くないような気になるから 不思議です。また海堂さんは、拠り所となる仕事があれば、落ち込むことがあっても、その自分の陣地に戻って気持ちを 立て直せると言うのです。医者になってしまうと、あとは天国のように地上の民は思うのですが、医者には医者なりの悩みが あるようで医学界は、今だに多くの財前五朗がおられるのだなとその道の険しさをあらためて感じさせられたのでした。 しかし、その事よりも更に興味引いたのは、当時、医学とは無縁であった作家の山崎豊子さんが何で「白い巨塔」のような 医学会の内幕を赤裸々に描けたのかと言うことです。新聞社に入るだけの能力があったから? 作家として、観察者としての 素晴らしい能力の賜物? う~ん、何で書けるのかな? そんな専門的なことを。 そう考えていると、ふと、当時の 毎日新聞社の配属先の上司が、井上靖さんであったことを思い出したのです。そうだった。それならさもありなん。その時に 思い浮かんだことは、明日は檜になろうともがくあすなろでも得意分野の樹下にピケを張ってさえいれば、いずれ檜に成れる のかもしれないという微かな確信みたいなものでした。