私自身が巡らす思いの全てがエネルギーとして外側に出て行きます。 そしてそれは同じような思いを巡らす人の心を
引き寄せたり、周囲の人たちの同種の思いを刺激したりするでしょう。 その思いは、結果として自分の元に何らかの良い
反応や、悪い反応として戻ってくるでしょう。 人の心と心の間には思考エネルギーの絶え間ない交流がなされているようで
自分が気にしていない場所でも、そして遠く離れた場所であっても多くの化学反応を引き起こしているように思えます。
私自身の荒々しい身勝手な思いは、破滅的なエネルギーを生み、他の人たちの心の中にある悪いものに刺激を与え
、それらを増殖させてしまう。 そしてそれはお天道様に吐いたツバのごとく自分の身に混乱を与える為に舞い戻ってくる。
一方、思いやりに満ちた穏やかな思いを抱いた途端、不安と悲しみの荒波に喜びを振り撒き、傷ついた心に癒しの雨を
降らせることが出来るように思えます。 まるで目に見えない暖かいエネルギーが伝わって行くように。
こんな私に何が出来るのだろう? たまにそう思う事があります。
先月31日の木曜のすすき野での稽古のことでした。 9月に入ってくれた3年生が他の子供に比べて基本が出来ていない
ことが改めて気になりました。 早速その日の夜に、その子の御母さんに自分の思いお伝えし、「2月の末からでも30分
づつ、稽古が終ってから1対1の個人レッスンをさせてもらいたい」と私の方から申し出ていたのです。2月は昇級審査や
演武会を控えていたので、そのような一人ひとりの些細な出来不出来を気にしていては前に進めないと思う気持ちと、
どうしてもそのままにしておけないという相反する気持ちが交錯し私は立ち止まって居ました。 しかし結論はすぐに
見出せました。 一人の一歩を喜べないで、また一人の成長を見いだせないで指導などする価値はないと。
お母様には率直に感じたことをメールに書かせて頂き、その翌々日、お父様から今までの御苦労の御様子などもお聞かせ
頂き、私からの申し出も快くご了解頂くメールを頂戴したのです。 そして演武会が終わった翌週の23日の土曜のみすずが丘
で17時から17時半までをマンツーマンレッスンとして始めることとしました。これからの土曜日はその子と30分間を一緒に
過ごします。 基本も。そして集中力を高めるための稽古も。また空手以外のことも一緒にやろうと思っています。
私の提案は読書。本を読むことを楽しんで欲しい。本に親しみを感じる子であって欲しい。身体を鍛えて筋肉や骨に刺激を
与えるのと同じくらい、脳に刺激を与えたい。 読書をして感動し感性を磨いて欲しい。そこから何かが生まれるはず。
そんな思いで土曜の17時からの30分をどんな時間にするのか知恵を絞っています。
第1回目の23日。覚えの悪さにキツイ言葉。反復。地味な稽古。しかし1対1なのでやはり集中しているのが見て取れました。
これからどんな有効な時間に出来るだろう? 私にはまったく分かりません。 しかし、演武会も子供たちの顔を思い浮
かべながら工夫をして構想を練ってみんなで練習をやったら初めてにしてはいいものが出来たと思います。 ならば、
どんな成果があるかは分かりませんが、一人の子の成長を見る為の時間に知恵を出してみよう。 今はそんな気持ちで
います。 私は優しく輝くその子が、自信に満ちた片鱗を見せてくれる日まで、このマンツーマンレッスンをやり続けようと
思っています。