怒らないから正直に話してごらん。と親に言われ、嘘をついた事を認めた途端
頬っぺたを、これでもかとつねられた事を思い出す。
嘘は泥棒の始まりだからね。と言って聞かされた。
それでは、あの時の親こそ、嘘つきではなかったか? と今は微笑み混じりで思う。
しかし、それほど真剣に親は自分の行く末を案じていてくれたのだと伝わってくる。
誠実に生きるとは、そういうことなのだろう。
誠実な人であれば、食いっぱぐれはないのかもしれない。
だらしない格好をしていれば心もだらしなくなってしまう。
だから、居ずまいを正して座ることの意義は其処にあるのではないだろうか。
正座を教えるということは心の居ずまいを教えること。
これを日常的にやっていることで綺麗に座れるようになる。
子供達の心を真っ直ぐにさせるには、フカフカのソファーではなく正座がいい。
この形を創ることで子供達の心は次第に引き締まり真面目に相手の話を聞くようになる。
我慢の出来る子であって欲しい。
辛抱する心を持った子であって欲しい。
弱音を吐かない子であって欲しい。
そんなことをこの空手クラブでは願いながら、しつけに時間を取る。
欲しいから盗む。
殴りたいから人を傷つける。
ブランド物のバックが欲しいから援助交際をする。
イジメたいからイジメる。
そんな人たちを創らないために我慢をしつけている。
我慢を知らない人が陥る落とし穴が世の中には山ほどあると
子供達の心に刻まねばなるまい。
夏休みが始まった。
力強く生きる夏が始まった。
この夏休み、子供達はどれほど悪知恵を駆使して嘘をつくことになるのだろう。
そして、親達はどれほど子供達の頬っぺたをつねることだろう。
いずれにしても心を真っ直ぐに正し、太く生き抜く子供達であって欲しい。
ひまわりが力強く成長する夏。
日差しの照り返しが眩しい。
目には見えない心を摘み出し、強くへこたれない心を創り上げる。
そんな夏が待っている。