高校2年生が稽古に参加しだしたのは、ちょうど去年の今頃だった。
聞けば中高一貫教育の進学校で東大合格では開成、灘、筑駒、麻布、駒東等に次いで
合格者数が多い有名校だ。
「来年3年生じゃないか、大丈夫?」と聞くと理路整然とした応えが帰ってきた。
今年に入ってからは模試が続いていた。 結果は常に東大理科1類A判定。
そんな高校三年生は、この9月まで空手をやりに来ていた。何とも凄い。
流石に10月からは受験に専念するという。
「人生をかけて勉強しなさい」とメールした。
しかし彼にはそんな言葉は必要なかったかもしれない。
彼は医学よりも物理に興味があるらしい。
日本国籍を持つ人のノーベル賞受賞者は24名だ。
その内、物理学賞を受賞した方は11人にも及ぶ。
日本は物理学大国なのだ。
来年の1月、2月は新たなる挑戦の連続だ。
この空手クラブには中学受験に挑む子供達も何人かいる。
そしてうちの長男もようやく来年の2月に医師国家試験に挑む。
みんなの挑戦がこの冬に始まる。
毎年インフルエンザの流行の中の挑戦だ。
長男は日能研に通わせてからすでに16年が経った。
今でも綺麗とは言えない部屋と大学と大学の図書館で勉学に励んでいるようだ。
毎晩、23時ころに大学の図書館を出る生活が続いている。
みんな大きく跳躍するために深く沈んで次の飛躍に備えているのだろう。
最後は、体力と辛抱強さと、そして冷静さだ。
決して知能指数などが問題なのではない。
知能指数が高く、ヤマをかけるのが上手く、前日に勉強した箇所が試験に
でることがあったとしても、多くの場合、どこかで帳尻は合ってしまうものだ。
頭が良く世渡りが上手い人ほど足元は心もとない。
だからインフルエンザに負けない体力を養え!
緊張感の中でも我を忘れず耐えられる辛抱強さを養え!
常日頃から、そんなことを子供達には伝えている。
来年の3月、多くの人達に新たな門出が待ち受けている。
ただひたすら自分が正しいと思う道を突き進め!
他人の進む道は気にしてはいけない。
君は悔しくて涙にくれたことがあるかい?
涙とともに味気ない食事をした人でないと人生の本当の味はわからないものだ。
君の人生はいったいどんな味がするのだろう?
果たして君は本気で生きているかい?